二十四日は、小学校の卒業式と決まっていて、尋常科六年、高等科二年、実業補習学校一年の卒業式が挙行された。この頃は、中学校や女学校に進学する者は男子で四、五名、女子では一、二名であった。児童は一学年男女合わせて百名ぐらいで、教室はいっぱいだった。卒業式は立派に卒業出来たことでおめでたいはずであったが、長い間お世話になった先生方や友人たちと別れるのはつらかった。式が終わると各学級では担任の先生を招いて謝恩会が行われた。卒業生と在校生はそれぞれ思いをこめた歌を唱ったが歌詞はほとんど思い出せない。ただ一節覚えているのは、卒業生の歌で
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技をし果たしし嬉しさは
そもそも何かたとうべき
山なす人中分け入りて
終わりの卵得る心
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